”A Normal Life , Just Like Walking”

小説書いて、メルマガ出して、文学フリマで売る。そんな同人作家皆原旬のブログ

最後の観客

2017-06-24 既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【第5回】(終)

「最後の観客(Last Audience)」【5回目】(終) フィアが何か二の句を告げようとしたそのとき、部屋のドアがノックされた。 「晩飯、用意したぞ一緒にどうだ、みんな待ってるぞ」 会長が来た。 「はい、行きます。でも、いいのですか行って」 「なんでだ、つ…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【第4回】

「最後の観客(Last Audience)」【4回目】 会長はあご髭をなでている。傘もささずに気難しそうな顔をしていた。ちょっと怖かったが、こっちに気づくと、にこっとしてみせる。出て行く前から想像してはいたが、辺りの木は燃えてしまっていた。この状況を見て…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【3回目】

「最後の観客(Last Audience)」【3回目】 何がなんだか、わからないままの俺に代わって、フィアをなだめたのは、ケン、レン、ラルーだった。といっても、フィアに泣いて抱きついただけだが。それで、我に返ったようだった。その後の温泉ときのこのフルコー…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【2回目】

「最後の観客(Last Audience)」【2回目】 見たところ盗賊どもは車を動かせずにいるので騒いでいるようだ。普通の人に乗れない車はとりあえずおいといて、俺は問答無用でガキどもを黙らせて、こっそりと山小屋へ戻った。戻ったが寝ているはずのフィアはいな…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【1回目】

「最後の観客(Last Audience)」【1回目】 昼寝の時間が来たのにガキの誰も寝ない。昼寝当番の昼寝は数少ない役得なのに。指さしのレンなどはおやつが少ないのは昼寝している間に俺が盗み食いしているだから見張るんだと息巻いている。誤解もいいところだ。…