”A Normal Life , Just Like Walking”

小説書いて、メルマガ出して、文学フリマで売る。そんな同人作家皆原旬のブログ

「持ち込みお断り」でいいんです。

「医療費全額に保険適用されないのは違法」とした11月7日の東京地裁判決を受けて
混合診療医療解禁の論調が勢いづいているが、
混合診療は健康保険で育てた医療資源のただ乗りの側面があるので原則自由化は非常に危ない話だ。

何とかたとえてみる。
ソフトドリンク飲み放題、食べ放題のバイキングのレストランがあるとする。
そこに、
ビールを持ち込んで「食べ放題だけでいいから安くしろ」という客や、
コンビニで買った弁当を持ち込んで「飲み放題だけでいいから安くしろ」といった客がやって来たとしよう。
その客の言い分は正しいだろうか。サービスの量=料金と考えればあり得ない話ではない。
もちろんドリンク別料金のバイキングの店や、ドリンクバーがあるファミレスのように別業態ならある。
しかし、これらの要求を受け入れたなら、この店での飲み放題、食べ放題のバイキングは早々になくなることになる。
なぜなら、裏方の調理する人から、材料、調理器具までをフル稼働させることで
最小限の経営資源でまかなっていたのが、フル稼働しないために浪費されるコストを料金に上乗せすることになり、
結局すべてのお客さんが値上げに直面することになり、店は廃れてしまうのだ。

ここで重要なのは経営資源を守るコストは、利用者負担でしかあり得ないと言うこと。
医療における経営資源は医師であり、看護師であり、医療機器である。
そのほとんどを日本ではみんなで守ってきたといっていい。悪平等とも言われつつも、
気軽に医療が受けられることは誰もが認める日本のいいところだろう。

混合診療医療解禁は、
人の生き死にがかかっているとはいえ結局はお金分配の問題であり、
いわば
高額な商品を売るためにセールスマンが公民館をただで使わせろと
言ってきているようにしかどうしても聞こえてこない。こないのだが。