”A Normal Life , Just Like Walking”

小説書いて、メルマガ出して、文学フリマで売る。そんな同人作家皆原旬のブログ

今敏の「パプリカ」を見てきました。

良かったです。
筒井康隆氏の原作未読ですが楽しめました。
心地よくない色彩、落ち着いたカメラワーク、
引っ張れるのりしろを気持ちよく切り捨てて
進む物語。今敏節炸裂です。
劇場で今敏監督作品を見たのは、
PERFECT BLUE」以来ですが、
今敏さんは声優を生かす様式の
映画を作る人なんだと再確認する事になった。

主人公千葉敦子役の林原めぐみさんは、
自意識過剰な役
(例、スレイヤーズリナ=インバース)、
自意識希薄な役
(例、新世紀エヴァンゲリオン綾波レイ)、
どちらにおいても日本の声優界トップの実力者。
夢への精神治療が暗喩する
実生活を良くしてくれる明るい二面性を体現する
夢探偵パプリカ=研究者千葉敦子
の図式がぴったり来る。
キャラクター付けの助走をとれない映画では
ややすると典型的「アニメ声優」と取られる
強烈な感情表現が、作品のテンポを良くしている。
それを浅いと取るのは勝手だが、
エンターテイメントは見られてなんぼ。
関わってもらってなんぼでいいのではないか。

見たのは川崎チネチッタ16:30の回。
劇場の三、四割の入りといった感じ。
作品に比して劇場が大きい気はしましたが

原色が目につくとか、
キャラクター造形が「攻殻機動隊」だねとか
そういうつっこみはみてからで十分でしょ?