”A Normal Life , Just Like Walking”

小説書いて、メルマガ出して、文学フリマで売る。そんな同人作家皆原旬のブログ

本田透著「電波男」を読んで

ネットでのレビューを目にして以来、気になっていましたが、
近くの'三次元'の書店に無く、
やっと神保町の書泉グランデで入手。
徹夜してただいま読了しました。

この本を一言でいえば
「出るべくして出た電波本」
というところでしょうか。
世間では格下に見られるオタクで甘んじる人が、
口には出さないが、思っていたことが
ぼろぼろといったところでしょうか。

負け犬にかまれたオタクが自らが抱えるルサンチマン(怨恨)が生まれた原因を探るのだが、広告代理店陰謀説や、恋愛資本主義(仮説)など、論証にしては手前味噌な気は強い。けれど、彼自身の人生の課題と相まって、一気に読ませる一途さがある。

特に興味深い論点は
「オタクは恋愛に参加しないから誹謗中傷される」

「萌える行為で、誰も傷つかない」

など。
被差別階級救済に乗り出したガンジーのごとく、彼はどこまでも平和主義です。
自分が被害者故に加害者となる可能性を意識する。見えすぎる故に苦悩は深い。

それでも彼はいう「愛を求めて生きよう」と

オタクの悩み=モテない から始まる
いわゆる「恋愛本」とは違う「求愛本」ですので、
モテること・モテないことにつかれた人、男女を問わずお奨めします。

他のサイトでも指摘がありましたが、

本田氏は絶対もてるでしょうこの本で。

名声や金でモテる状況を望まれない本田氏が、せめてこの本を読破した女性にもてられることを非力ながら祈らせていただきます。