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”A Normal Life , Just Like Walking”

小説書いて、メルマガ出して、文学フリマで売る。そんな同人作家皆原旬のブログ

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【第4回】

「最後の観客(Last Audience)」【4回目】 会長はあご髭をなでている。傘もささずに気難しそうな顔をしていた。ちょっと怖かったが、こっちに気づくと、にこっとしてみせる。出て行く前から想像してはいたが、辺りの木は燃えてしまっていた。この状況を見て…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【3回目】

「最後の観客(Last Audience)」【3回目】 何がなんだか、わからないままの俺に代わって、フィアをなだめたのは、ケン、レン、ラルーだった。といっても、フィアに泣いて抱きついただけだが。それで、我に返ったようだった。その後の温泉ときのこのフルコー…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【2回目】

「最後の観客(Last Audience)」【2回目】 見たところ盗賊どもは車を動かせずにいるので騒いでいるようだ。普通の人に乗れない車はとりあえずおいといて、俺は問答無用でガキどもを黙らせて、こっそりと山小屋へ戻った。戻ったが寝ているはずのフィアはいな…

既刊再掲「最後の観客(Last Audience)」【1回目】

「最後の観客(Last Audience)」【1回目】 昼寝の時間が来たのにガキの誰も寝ない。昼寝当番の昼寝は数少ない役得なのに。指さしのレンなどはおやつが少ないのは昼寝している間に俺が盗み食いしているだから見張るんだと息巻いている。誤解もいいところだ。…

既刊再掲「すこし FUSHIGI」【4回目】(終)

「すこし FUSHIGI」【4回目】(終) 理恵には簡単なことだった。薬を切らすのは規定違反だが、20世紀末の日本で、それも過疎がきびしい片田舎で見舞われる危険なんてない。先生はそういって笑っていたっけ。でも、ルールはルールだから、用が済んだ…

既刊再掲「すこし FUSHIGI」【3回目】

「すこし FUSHIGI」【3回目】 恵一の母は、自宅でまだ料理をしていた。祖母の「じいさんが好きだった鯛の蒸し物」のリクエストに応えるべく、近くの料理上手に料理をおそわっていた。昼に合わせて作っていたのでさすがに調理はほぼおわっていた。 「…

既刊再掲「すこし FUSHIGI」【2回目】

「すこし FUSHIGI」【2回目】 高知駅に着いたのは、朝7時45分をまわった所だった。天気は快晴、すでに、日差しが手の甲を刺すように照りつけている。肌には厳しいが、暑いといっても東京とはすごしやすさが違う。東京は熱気が体にまとわりつく感…

既刊再掲「すこし FUSHIGI」【1回目】

「すこし FUSHIGI」【1回目】 夜行の高速バス、東京八重洲発ー高知駅行き、消灯間際の車内で、男は眠っていた。その前どなりの席には、今し方初めて会ったばかりの少女も、眠っていた。 少女のバス代を青年が出したのは、本意ではなかった。が、夜行…